スペース活用との出会い「airbnb」
2013年。
当時、立ち上げたばかりの不動産会社に勤務していた。
何の仕組みもなく、何で収益を立てていくかも全く決まってない状況。
あるのは収益性の見込みのない仲介の案件ばかり。
広告を使ってインターネットの反響営業を提案しようかと思ったが、それではこれまでやってきたことと何の変化もない。
何か新しいことをやりたい。
そう思って過ごす日々だった。
そんな時、知人から賃貸の物件探しの依頼がくる。
住居としてではなく、借りた物件を外国人旅行者にホテルとして貸し出すというのだ。
「そんな物件絶対無理」
これが最初に思ったこと。いちいち大家さんや管理会社に確認とって説明しても無駄だと思った。
やりたいことは分かったが、どういう仕組みで外国人旅行者を集客するなど、色々と聞いてみた。そして「airbnb」の事を聞いた。
「これだ!!!」
直感でワクワクした。
airbnbは簡単に言うと、空いている部屋とそこに滞在したい人をマッチングするサービスである。
自分の住んでいる物件の使ってない部屋を、有効活用してそこで収益をあげるのを基本とする。
そしてairbnbの特徴は、ただホテル代わりとして貸し出すのではなく、泊まりに来たゲストとコミュニケーションをとり、通常の旅行では体験できないような事やガイドブックには載ってないような、自分ならではの情報を提供してゲストをもてなすことにある。
そして自分の中でいろいろなことがつながっていく。
不動産屋目線で見ると、人口減少によって空き家問題はさらに深刻化していく。
また、大家さんの空室対策にもなる。
人口が少なくなっていくと当然、経済への影響は計り知れないが、訪日外国人(
インバウンド)の消費によりカバーしていく。
そして個人的にも、実家(大分県別府市)の温泉旅館の経営に役立つのではないか。
これからairbnbは浸透していく!自分はこれがやりたい!
さらに不動産屋としても、airbnbをできる物件の仲介など普通の不動産屋は面倒でやらないだろう。
自分の中で生まれて初めて視界がクリアになって
これはすごいものに出会ったと思えた。
そして知人の物件探しの依頼を引き受けた。
これがairbnb(民泊)との出会いだった。
余談ではあるが、今でさえairbnbや民泊という言葉は普通になっていたが、当時はほとんどその言葉を知ってる人はいなかった。
知人の物件探しで、100件以上は管理会社やオーナーに連絡しただろう。
1件も許可もらえる物件は無かった。
知人と相談して、とりあえず外国人の入居が可能な物件を借りて、外国人の友達がよく来るということで借りようということになった。
のちに民泊物件の仲介を事業化して、300件以上の仲介を行なったが、これが記念すべき1件目だった。
ちなみにその物件では1年半くらいは運営していたようだが、宿泊者によるトラブルもあり、大家さんからも運営をやめるように言われたようで撤退したらしい。